デヴィッド・クローネンバーグ監督の1986年の傑作SFホラーについて見どころを紹介します。
あらすじ
科学者のセスは記者のベロニカに開発中の物質転送装置を公開する。生物の転送実験で失敗が続くが、やがてセスは自らの体を転送することに成功。しかもその後、彼の体には驚異的な活力が備わる。セスは、転送装置に一匹のハエが紛れ込んでいたこと、そしてそれが転送後にセスの体と遺伝子レベルで融合したことを知る。彼の肉体はみるみる変化し、ついには惨たらしい姿に……!58年作「蝿男の恐怖」をリメイク。おぞましくも悲痛なドラマが展開する。(映画.comより)
スタッフ・キャスト
| 監督 | デヴィッド・クローネンバーグ |
| 脚本 | チャールズ・エドワード・ポーグ デヴィッド・クローネンバーグ |
| 原作 | ジョルジュ・ランジュラン 「蝿」 |
| 製作 | スチュアート・コンフェルド |
| 編集 | ロナルド・サンダース |
| 撮影 | マーク・アーウィン |
| 美術 | キャロル・スピアー |
| 音楽 | ハワード・ショア |
| キャスティング | ディアドラ・ボーウェン |
| 特殊メイク・デザイン | クリス・ウォラス |
| 役名 | キャスト | 役柄 |
|---|---|---|
| セス・ブランドル | ジェフ・ゴールドブラム | 天才科学者 |
| ヴェロニカ・クエイフ | ジーナ・デイヴィス | 記者 |
| ステイシス・ボランズ | ジョン・ゲッツ | ヴェロニカの上司 |
見どころ
ジョルジュ・ランジュラン×クローネンバーグ監督
クローネンバーグ監督といえば本作の3年前に撮った「ヴィデオ・ドローム」(1983年)(これも好きな作品!)などクセ強の映画をたくさん撮っている。他の作品を含めて予備知識なしで観ると「なんなんだ、いったいオレは何を見せられているだ。」と感じる作品ばかりだけど、なぜかその映像に引き込まれ取り憑かれてしまう。「俺の作品は商業主義のハリウッド作品とは一味違うぜ!」と言われているようにも感じる。もちろんそれが自己満足で終わることは無くしっかりエンタメに仕上がっていて社会風刺も効いているから結構くらってしまう。
本作は元々ジョルジュ・ランジュランの「蝿」という作品が原作だけど、クローネンバーグのこだわりとスパイスがたっぷりと注がれた結果、SFホラーの傑作に仕上がっている。
女性を口説いたこともないオタクの科学者ブランドルが、開発した物質転送装置(テレポッド)の被験者となって転送を行うんだけど、そこにハエが混入したことでハエと共にカラダが再構築される。再構築後のブランドルがどうなったかというと、なんとめちゃくちゃ絶倫になって彼女のヴェロニカ(ジーナ・デイヴィス)と何時間もセックスをする!そして汗だくでクタクタになった彼女に「ストップ、もうこれ以上無理よっ」と言わしめる。
男なら一度は相手に言わせたい憧れのセリフだ!
ド下ネタで恐縮だけど、高校時代に親父の部屋で外国製AV(エロビデオ)発見し友人を呼んで鑑賞会を開いたことがある。そこで男優が放ったセリフに衝撃を受けたことを今でも鮮明に覚えている。出演しているのはそれまでに見たことが無い巨根の男優だった。その巨根で女優を突きまくり、ベッドに顔をうずめて失神した女性の頬をペチペチと優しく叩きこう言った。
「なぁ、失神してないで俺もイかせてくれ」
初めて目の当たりにした外国人の巨大なポコ⚫️ンとこの男優のセリフに度肝を抜かれ、いつか言ってみたいセリフとしておれの記憶に刻まれた。この映画を観てその時のことを思い出した。
それはさておき、男の憧れるこういう肉体的な変化は原作にはないそうで、こういうところがクローネンバーグの創造力のすごいところで圧倒される。当然ながらこの映画はそれだけでは終わらず、最終的にはおぞましい人間ではない生物「ブランドルフライ」に変貌していき、そこに崩れ落ちていくところが描かれるのでそこが悲しくてうますぎる!(あと、「ブランドルフライ」への変貌する描写は結構グロいので注意)
少し前のカンヌ国際映画祭でパルムドールを獲得した映画チタン(2021)。この映画も相当クセの強い映画だけどこの作品を撮ったフランスの女性監督ジュリア・デュクルノーが、最も影響を受けた監督としてクローネンバーグの名前を挙げていた。そのことからも彼の影響力の強さがわかるし、名前を挙げたジュリア・デュクルノーの方にも興味津々だ。
ハリウッドの生き様、ジーナ・デイヴィス
本作でヴェロニカ役をつかんだジーナ・デイヴィスは当時ジェフ・ゴールドブラムの彼女!主演が決まっていたジェフ・ゴールドブラムの紹介で役が決まったらしいから、ハリウッドで生きていくためには実力ももちろん必要だけど力のある人間たちとのつながりって大事だなーと感じてしまう。当時はジーナ・デイヴィスも売れる前で この映画の出演で注目を浴び、後に1988年にテイム・バートン監督のヒット映画「ビートルジュース」や同年公開の「偶然の旅行者」という映画に出演して見事オスカーを獲得することになる。ジェフ・ゴールドブラムと離婚した3年後の1993年にはクリフハンガーのレニー・ハーリン監督と結婚。ハーリン監督作品「カット・スロート・アイランド」(1995年)や「ロング・キス・グッド・ナイト」(1996年)に出演して人気が定着して地位が確立する。ハリウッドという大きな世界で成功するなんてそうそうできるものじゃ無いから、こういう私生活を聞くとなるほどねーって思ってしまう。もちろん彼女自身の魅力があってこそなせる業なんだけれどもね。
まとめ
クローネンバーグ監督には息子がいて、その名もブランドン・クローネンバーグ(1980年1月10日、カナダトロント生まれ)!その彼も映画監督だ。先日2023年に撮った「インフィニティー・プール」を鑑賞したところ、しっかりとDNAが引き継がれていたので嬉しくなった。これからの活躍も楽しみ!
以上です。最後までご覧いただきありがとうございました。


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