インターネット上の怪談(クリーピーパスタ)やYouTube動画から人気に火がつき映画化。監督は史上最年少(20歳)で北米興行収入初登場1位を獲得した2005年カリフォルニア生まれのケイン・パーソンズ。2026年公開。
あらすじ
家具店の店主クラークは、店内に“あるはずのない隙間”を発見する。その先には壁の裏側へと抜け落ちるように続く、全面が黄色い壁紙の異様な空間が広がっていた。奇妙なバランスで積み上げられた無数の家具に、果てしなく続く迷路のような黄色い部屋。どこからともなく断片的なアナウンスが聞こえてくるが、呼びかけても応答はない。クラークはセラピストのメアリーにこの異様な空間について説明したものの信じてもらえず、その存在を証明するべく、記録用のビデオカメラを手に再び足を踏み入れるが……。(映画.comより)
スタッフ・キャスト
| 監督 | ケイン・パーソンズ |
| 脚本 | ウィル・スーディク |
| 製作 | ジェームズ・ワン マイケル・クリアー ロベルト・パティーノ ショーン・レビ ダン・コーエン ダン・レビン オズグッド・パーキンス クリス・ファーガソン ピーター・チャーニン ジェンノ・トッピング コリ・アデルソン |
| 撮影 | ジェレミー・コックス |
| 編集 | グレッグ・ン |
| 音楽 | エド・ファン・ブリーメン、 ケイン・パーソンズ |
| 美術 | ダニー・ヴァーメット |
| 衣装 | マイカ・ケイド |
| キャスティング | ウィットニー・ホートン |
| 視覚効果スーパーバイザー | エドワード・J.ダグラス |
| 役名 | キャスト | 役柄 |
|---|---|---|
| クラーク | キウェテル・イジョフォー | カリフォルニアで家具店を経営する店主(妻とは離婚している) |
| メアリー・クライン | レナーテ・レインスヴェ | クラークのセラピスト |
| フィル | マーク・デュプラス | 民間の研究機関Async Research Instituteの研究者 |
| ボビー | フィン・ベネット | クラークが経営する家具店の従業員、キャットの彼女 |
| キャット | ルキタ・マックスウェル | クラークが経営する家具店の従業員、ボビーの彼氏 |
| メアリー・クライン(幼少期) | エンバー・アンブローズ | 幼少期のメアリー(精神を病んだ母によって家に閉じ込められている) |
| ノラ・クライン | クリスタ・コソネン | メアリーの母(精神を病んでいる) |
| パイレーツ・クラーク | ロバート・ボブロツキー | バックルームズに現れるクラークの化身 |
この映画の面白さ
舞台設定
1990年のカリフォルニアということで、インターネットやスマホ普及前の時代がこの映画の舞台。
やはりブラウン管のモニターやハンディビデオカメラなどこのレトロなテクノロジーはおっさん世代には懐かしく、それだけでノスタルジーに浸ることができていい。逆にいまの若者世代には新鮮に映るんだろうな。
いまやスマホに加えてSNSが登場したことでコミュニケーションの仕方も変わってしまっているので、現代が舞台になるとバックルームに入ってスマホで撮影して位置情報と共にSNSで拡散されてエライことになりそうだ。珍しがった客が集まり主人公のクラークは喜んでその人気に便乗した商売を始めて、大繁盛してホクホク。建築家の夢など忘れてバックルームを見つけた経緯とかをYouTubeで雄弁に語り出す展開になったりして。こうなるとむしろ完全にコメディになってしまうので、やはりこの映画には不便さが重要だ。
映画と関係ないけど、1990年の通信手段はまだ家デンが中心だったので、デートの誘いで電話するときも親が出たらどうしようとか、下手をすると取り次いでもらえない可能性もあるからめちゃくちゃドキドキしながら電話していた時代。最近は家族を介さず直接コンタクトできるようになったから、家族からとやかく言われなくなった分、電話での印象とか家族からの評価は聞けなくなってしまった。出会い系アプリで知り合って結婚する時代だから、完全に自己責任になってしまったようにも思えるけど、きっかけは出会い系アプリでも知り合った後で友人や家族に紹介するから、単に順番が変わっただけってことなんだろうか。
それにしても最近、外出先で食事をしていると出会い系アプリで知り合った男女のデートに遭遇することもずいぶん増えた。先日も予約してランチをしたんだけど同じ時間に予約している初デートのカップルに遭遇した。男性が先に店に着いていて後から女性がやってきた。「⚪︎⚪︎さんですか?」という確認から始まるので、この"確認作業"で出会い系アプリで知り合った男女のデートだと勝手に確信する。遠目に見ていた印象では盛り上がるでも盛り下がるでもなく淡々と初デートを終えて(しかもきっちり2時間で)店を出て行った。
バブル期を経験している俺たちの世代は、最初のデートでなんとしても盛り上げて次の展開につなげようと必死になり、最低でも店を出る時に手くらい繋げれば成功!とギラギラした目で考えていたと思う。だが遭遇した彼らが当時の俺たちのそういう行動を見たら「そんなに必死にならなくてもいいんじゃない?」って言ってきそうだ。そうだよな、俺たちの当時の行動の背景には簡単に出会えないという不自由さ不便さがあってのことだし、彼らにしてみたらスマホのアプリで数回やり取りすれば簡単に出会えるんだから必死になる理由なんかないんだよ。
とにかく、この不自由で不便な1990年代ってのがこの映画の舞台。過去から何層にも重なる自分自身の過去の記憶。記憶の中に沈澱している内面のダークサイド。トラウマ、屈辱、後悔などなど。バックルームズという空間の中にそれらが層になって存在している。その世界がこの時代設定だからこそどんどん謎が深まる!
で、ここに隠されたテーマがあったという、尊敬する町山智浩さんの解説がすごかったので、紹介させてもらいます!(町山さんのYouTubeチャンネル↓)
本当にすごい解説。尊敬しています!
話の広がり
映画鑑賞後に調べて知ったんだけど、この映画は2019年に海外の匿名掲示板「4chan」に投稿された1枚の不穏な部屋の写真から始まり、インターネット上の怪談(クリーピーパスタ)やYouTube動画から人気に火がついて映画化された作品らしい。それもあってか、とにかく観終わってから"あーだこーだ"言いたくなる。
ということで、この映画の面白さは鑑賞後の話の広がりだと思う。
こうやってインターネットの掲示板から広がっていくなんてちょっと夢のある話にも聞こえるし、逆にいうとネタが枯渇しているとも言えるのかもしれないけど、この映画の製作陣がジェームズ・ワンをはじめ合計11名が名を連ねているけど、彼らが若きケイン・パーソンズ(21歳)の才能を見つけて、一本の大作に仕上げるんだからやはりアメリカのエンタメの熱量はすごいし業界の層の厚さを感じる。
この映画の大ヒットで実際たくさんのお客さんが映画館に足を運んでいるようだから映画ファンとして嬉しい。同じ監督で次回作の話も進んでいるようだからどんな展開になるのか期待が膨らむし、こういうインターネットの掲示板発のような作品もこれからどんどん増えていきそうで楽しみだ。
まとめ
この映画を観に行ったときの話だけど、席で上映を待っていると母と娘の親子がやって来た。年齢がお母さんは60代前半くらいで娘さんのほうは30代後半くらい。この映画の観客は おひとり様か友達や恋人と観に来ている人が大半な中、この年代の母と娘がこういう映画を一緒に鑑賞できる関係ってのはなんかすごくイイなーと思いました。
以上です。
最後までご覧いただきありがとうございました!


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