衝撃作「ブゴニア」を観た!

映画

ギリシャの鬼才ヨルゴス・ランティモス監督。2025年アイルランド・イギリス・カナダ・韓国・アメリカ合作。2026年日本公開。2003年の韓国映画「地球を守れ!」のリメイク。

第98回アカデミー賞で作品賞と主演女優賞を含む4部門にノミネート。

あらすじ

人気絶頂のカリスマ経営者として脚光を浴びるミシェル(エマ・ストーン)が誘拐された。犯人は、陰謀論に心酔するテディ(ジェシー・プレモンス)とドン(エイダン・デルビス)の2人組。ミシェルが地球を侵略しにきた宇宙人だと信じてやまない彼らの要求はただ一つ。「地球から手を引け」彼らの馬鹿げた要望を一蹴するミシェルだが、事態は思わぬ方向へと加速していき——。

(公式サイトより)

スタッフ・キャスト

監督ヨルゴス・ランティモス
脚本ウィル・トレイシー
原作チャン・ジュンファン
「地球を守れ!」(2003年の韓国映画)
製作アリ・アスター
エド・ギニー
ラース・クヌドセン
ジェリー・ギョンナム・コー
ヨルゴス・ランティモス
ミッキー・リー
アンドリュー・ロウ
エマ・ストーン
撮影ロビー・ライアン
プロダクション・デザイナージェームズ・プライス
編集ヨルゴス・モブロサリディス
衣装ジェニファー・ジョンソン
音楽イェルスキン・フェンドリックス
役名キャスト役柄
ミシェル エマ・ストーン数々の雑誌表紙を飾る巨大製薬会社のカリスマCEO
テディジェシー・プレモンス陰謀論を狂信しミシェルを誘拐する男
ドンエイダン・デルビステディの従弟(テディを信じてミシェルの誘拐を手伝う)
サンディアリシア・シルヴァーストーンテディの母(ミシェルがCEOを務めるアストレア社が開発した医薬品によって神経障害を患い入院中)
ケイシー スタヴロス・ハルキアス地元の警官(過去にテディのベビーシッターをやっていたことがある)

見どころと感想

常識破り ヨルゴス・ランティモス

本作監督はギリシャの鬼才ヨルゴス・ランティモス!彼の作品を何本も観てきたが常識をくつがえす作品ばかりで毎回とにかく驚かされる。特に彼が脚本した3本は鑑賞中ゾクゾクが止まらず、鑑賞後はしばらく茫然となった。

①「籠の中の乙女」(2009年)で”家族”という最も小さい閉鎖された集団生活のなかで起こりうる異常な世界を見せつけられて、②「ロブスター」(2015年)で婚姻制度が義務化されたときに訪れる結末に目をおおい、③「聖なる鹿殺し」(2017年)で主人公の医者一家に迫ってくる青年の冷静で冷酷な要求に背筋が凍りついた。この3本で俺は完全にこの監督から目が離せなくなってしまった。(ただ好みは完全にわかれると思います)

本作の製作経緯を調べると元々アリ・アスターがプロデューサーで原作映画「地球を守れ!」英語版リメイク製作の企画が2020年に立ち上がり、原作のチャン・ジュンファンが監督、ウィル・トレイシーが脚色していたところ健康上の理由でチャン・ジュンファンが離脱、製作総指揮にまわることになり、代わる監督としてヨルゴス・ランティモスが就いた経緯だった。その後に複数のランティモス監督映画に出演しているエマ・ストーンが主演兼プロデューサーとして参加。さらにジェシー・プレモンスがキャストに加わったらしい。

ということで今回は原作ありのリメイクで脚本もウィル・トレイシーという人が手掛けていることもあって 彼独特の異様な世界観は薄まっているものの、地球規模のストーリーをランティモス監督が撮るのだからゾクゾクさせてくれるに決まっていると思って鑑賞したが、やはり期待通りだった!

最後に人類の愚かさを見せつけられて、人間ってなんてアホなんだ!所詮しょせん人間の存在なんてこんなものだ!と言われた気がして、鑑賞後、俺が抱える日頃のちっぽけな悩みなどどこかに吹っ飛んでいった。

役者対決 エマ・ストーンvsジェシー・プレモンス

すごかったのはエマ・ストーンとジェシー・プレモンスの演技のぶつかり合いだ。今回の役柄は巨大製薬会社のカリスマCEOミシェル。監督を坊主にさせ自らも坊主頭で挑んだエマ・ストーンだから間違いなく気合いが入っている。そこに「シビル・ウォー」で赤いサングラスの兵士を演じて観客を震え上がらせたジェシー・プレモンスが陰謀論に取り憑かれた養蜂家テディ役として立ち向かうわけだから、それを聞いただけでも見応え十分だ。

実際、この巨大企業経営者と陰謀論者のまったく噛み合わないやり取りは目が離せなかった。

ミシェル:「私の髪の毛はどこ?」

テディ:「髪の毛は全部処分した」

ミシェル:「なぜ?」

テディ:「船との通信を遮断するためだ」

ミシェル:「船って?」

テディ:「あんたの仲間がいる母船だ」

ミシェル:「わかった」

ランティモス組を支えるスタッフ陣

一流スタッフが揃っているからとにかく映像が美しい!ランティモス組にかかれば韓国のカルト映画「地球を守れ!」だってリメイクでここまで引き上げられるということだ。もちろんそれだけカネもかかっている訳だけど。

撮影監督のロビー・ライアン(アイルランドダブリン出身)。ケン・ローチ監督の「わたしはダニエル・ブレイク」(2016)やノア・バームバック監督の「マリッジ・ストーリー」(2019)を手掛けている。「女王陛下のお気に入り」(2018)でランティモス監督作品を担当し、続く「哀れなるものたち」(2023)で第96回アカデミー賞最優秀撮影賞にノミネートされている。

プロダクション・デザイナーのジェームズ・プライス(イングランドヘレフォードシャー出身)。彼もランティモス監督の「哀れなるものたち」でプロダクション・デザインを担当し第96回アカデミー賞で最優秀美術賞をみごと受賞している。

衣装は「人生はビギナーズ」(2010)、「アイ・トーニャ」(2017)や「ブロンド」(2022)、を手がけたジェニファー・ジョンソンが担当。

ラストシーン

印象的なラストシーン映像。静かだけど衝撃的な映像が次々と現れそれが結構長い時間続く。絵に力があってとても見応えがある。言ってみれば全部同じシーンなんだけど、観客に魅せたいんだ!という意思が感じられ、ランティモスらしさを表すラストシーンだった。

まとめ

今回もすっかり楽しませてもらったので、次回のランティモス映画もぜひ映画館で鑑賞したいと思います。

以上です。最後までご覧いただきありがとうございました。

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