フランスの映画監督コラリー・ファルジャ監督脚本の作品。第77回カンヌ国際映画祭で脚本賞を獲得!主演はデミ・ムーア、マーガレット・クアリー。
あらすじ
かつてオスカー受賞経験もあるハリウッドスターのエリザベス(デミ・ムーア)。プロデューサーのハーヴェイ(デニス・クエイド)から長年続けてきたテレビ番組の打ち切りを告げられてしまう。動揺したエリザベスは帰り道に交通事故を起こして病院に運ばれ、そこで若い男性看護師にこっそりとサブスタンスと書かれたUSBを手渡される。
自宅に戻り、USBの映像を見るとそこには若さと美しさ そして完璧な自分が手に入るという謎の薬の紹介されていた。一度はゴミ箱に捨てたエリザベスだったが、どうしても気になった彼女は書かれていた番号に電話をかけ サブスタンスを手にいれる。
キャスト・スタッフ
監督 | コラリー・ファルジャ |
脚本 | コラリー・ファルジャ |
製作 | コラリー・ファルジャ ティム・ビーヴァン エリック・フェルナー |
撮影 | ベンジャミン・クラカン |
美術 | スタニスラス・レイドレ |
音楽 | ラファティ |
編集 | コラリー・ファルジャ バランタン・フェロン |
特殊メイクアップ・アーティスト | ピエール=オリヴィエ・ペルサン |
メイクアップ・アーティスト | ステファニー・ギヨン |
ヘアアーティスト | マリリン・スカーセリ |
役名 | キャスト | 役柄 |
---|---|---|
エリザベス | デミ・ムーア | かつてのハリウッドスター |
スー | マーガレット・クアリー | 若さと美貌を備えたもう一人のエリザベス |
ハーヴェイ | デニス・クエイド | 若い女好きのテレビプロデューサー |
見どころと感想
マーガレット・クアリーのおっぱいだ!ワーイ!
言ってしまったー。でも恐れずに言うとやはりこれを書かないと嘘になってしまうしこれまで彼女の映画は何本か観てきたけど一度もおっぱいは登場しなかった。だからこの映画でおっぱいが登場した時、驚きと喜びで瞳孔がいっぱいに開いた(多分)。まさか脱いでいただけるとは!
だが一つ疑問が生まれた!彼女が出演する「ドライブアウェイ・ドールズ」(2024年)や「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」(2019年)を観たときの印象としてお母さんに似て華奢でおっぱいは小ぶりというイメージがあった。だから本作での爆乳に驚いた。これはどういうことだ!と、思ったら実はこのおっぱい 特殊メイクらしい。こんなパーフェクトなおっぱいも技術的にできてしまうのが現代の映画なんだよな。違和感はあったけど不自然さはなかったからもちろん個人的には満足した。
第97回アカデミーメイクアップ&ヘアスタイリング賞受賞も納得。
こういう話も映画の主旨からすると女性から批判の的となることは承知している。だって特殊メイクだろうがなんであれマーガレット・クアリーのおっぱいが見られるのはみんなうれしいはずだ。もちろんデミ・ムーアのおっぱいだってこの映画で初めて拝ませてもらったので同じように興奮したがそこには、「今もすごく綺麗だけどセント・エルモス・ファイヤーの時に観たかったなー」と言う心の囁きが聞こえてくる。
うん、わかっている。そうだよ。こういうことだよな・・・。まさにこれがこの映画のテーマと言うことだ。→俺もこの映画のハーヴェイと同じ不快なおっさんだってことだな。とはいえ、映画の感想としてはこの嬉しい気持ちをしまっておくか正直にいうかということかと思う。
さらに言うと本作は無駄な露出がひとつもないと感じている。こんなおっさんでもこの露出 意味がないなと思う映画に出会うこともある。それとは逆にこの映画は露出そのものが素晴らしい演出になっているじゃないか!コラリー・ファルジャ監督すごいっす。
セント・エルモス・ファイヤー!(1986年)
前述のセント・エルモス・ファイヤーは1986年に公開されて大ヒットした青春映画だ。7人の男女の群像劇なんだけどそのうちのひとりで 華やかな世界に憧れ給料を前借りしながら派手だけどカツカツの生活を続ける女性 ジュールス役としてデミ・ムーアが出演している。さらに学生時代から通うセント・エルモス・バーでアルバイトをしながら弁護士を目指す男性 カービー(エミリオ・エステベス)が一方的に恋する女性デイル役がアンディ・マクダウェルだ!個人的にアンディ・マクダウェルの清楚で美しい研修医として働く まさに大人の女性を絵に描いたような姿が大好きで、それ以降アンディ・マクダウェル ファンになった。そう彼女こそ本作で若さと美しさを兼ね備えたスーを演じたマーガレット・クアリーのお母さんだ!
だからこの映画でデミ・ムーアと母娘で共演を果たしたというのがオールドファンにはたまらないキャスティングになっている。
バスケットケース!(1982年)
ネタバレになるけどスーが7日間で交代するルールを破り続けていき、最後に禁断の行為をしたことで登場するモンストロ・エリザスー!特殊メイクによって作られたという彼女の姿は1982年に製作されたアメリカのホラー映画バスケットケース(フランク・へネンロッター監督・脚本)を彷彿とさせる姿。この映画はホラー好きの間でカルト的な人気を博していた作品なのでご存知の方も多いと思う。
とにかくモンストロ・エリザスーの80’Sで強烈な特殊メイクには大興奮!
まとめ
自分も60歳が近づいてきてこの映画を観ると性別は男だけど似たような気持ちを感じることはある。エリザベスのようなスターなはずもなく ただの定年間近のサラリーマン。誰からも注目されないどころか煙たがられる存在になり そんな状況の中でも生活は続いていく。でもおじさんはそんなこと口出すことなんか許されないし、「グッバイ、リチャード!」(2020年)の台詞じゃないが、惨めさをどれだけ飲み込めるかだ。
なるだけ周りの人々に煙たがられないように自分の行動や態度に気をつけて外見も小綺麗にせめて清潔感を保つようにしていこうと思った次第っす。
そして、エリザベスが外出前に鏡の前で何度も何度もメイクをやり直していくシーンはこんな俺でも胸が苦しくなったので、せめてそういう気持ちを察せるようになろうと思いました。はい。
以上です。最後までご覧いただきありがとうございました。
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