俺たちの青春映画 セント・エルモス・ファイヤー【映画】

映画

かつて新人類と呼ばれていた俺たち世代が全員観ていた青春映画!

あらすじ

大学を卒業したばかりの男女7人がそれぞれに悩みを抱えながらもノリと勢いで乗り切ろうとする80年代の青春群像劇。

スタッフ・キャスト

監督ジョエル・シュマッカー
脚本ジョエル・シュマッカー
カール・カーランダー
製作ローレン・シュラー・ドナー
撮影スティーヴン・H
・ブラム
美術ウィリアム・サンデル
衣装スーザン・ベッカー
編集リチャード・マークス
役名キャスト役柄
カービーエミリオ・エステベスセント・エルモス・バーでアルバイトをしながら弁護士を目指す。ケヴィンと同居している。
ビリーロブ・ロウ定職に就かず、サックスプレーヤーとしての成功を夢見る男。
ケヴィンアンドリュー・マッカーシー売れない記者。カービーのルームメイト。
ジュールスデミ・ムーア銀行勤務。給料を前借りして奔放な生活を続けている。
アレックジャド・ネルソン政界で出世を目指す民主党員。同棲中のレズリーとの結婚を望んでいる。
レズリーアリー・シーディー建築家。アレックの恋人だが結婚には後ろ向き。
ウェンディメア・ウィニンガム裕福な家庭出身だが福祉施設の仕事に生きがいを感じていている。ビリーに恋している。(男性経験なし)
デイル・ビーブルマンアンディ・マグダウェルカービーが一方的に恋する研修医。

見どころ

この7人 最強!

素晴らしく個性的な面々。ジュールス役のデミ・ムーアとビリー役のロブ・ロウを除けばさほど美男美女って訳じゃないのに何故だかこの7人(男4人、女3人)は、それそれに問題を抱えそこから何度もしくじりながら抜け出そうとしてもがく姿がすごく魅力的でカッコいい。

それにしても大学を卒業したばかりの彼らはまだ貧しくカービーとケヴィンが共に暮らす部屋も汚くて狭い部屋として紹介されているが、その部屋はめちゃくちゃ広い。だから突然ビリーが訪ねてきてもきても泊めることができる。ジュールスの部屋の壁はピンクに塗られそこにバカデカいビリー・アイドルの顔が描かれている。移動する時はJEEPに乗って出掛けるんだけど、無理やり7人が乗り込む。なんだこのカッコいい生活は!でもこれが当時のアメリカの描かれ方。

7人のうちジャド・ネルソン、エミリオ・エステベス、アリー・シーディーの3人は同じ年に公開されたジョン・ヒューズ監督の「ブレックファスト・クラブ」にも出演し、それぞれ本作とは異なるキャラクターの高校生を演じていた。この映画も当時を代表する青春映画だけど、こちらは高校の図書室にまったく学内では接点の無い5人が罰として休日登校を命じられて集まり、それぞれが抱えている感情を吐露してお互い知らなかった側面を知ることで一皮剥けていくっていう話。元々仲間同士という本作とは設定は違うが、どちらも悩みを抱えた若者の群像劇だったけど、これがアメリカの若者なんだと当時は疑うことなく信じていた。

どちらも1985年という時代もあってキャストは全員白人。この限定的な構成は最近ではもう観ることは無くなったけど、日本人の俺からするとハリウッド映画なんて最初から別世界の話なのでなんの違和感もなかった。それに当時雑誌POPEYE(ポパイ)を読んでアメカジを着て、「アメリカかぶれ」だった自分にとっては現実と違っていたとしてもアメリカの文化のかけらが映画の中にあれば勝手にワクワクできた。インターネットなどない時代にはこのステレオタイプで狭いアメリカ像がアメリカそのものだった。

ブラット パックって?

この映画の撮影をきっかけに出演者同士の交流が始まり、彼ら若手俳優集団は「ブラット パック」と呼ばれる存在になった。前にプリティ・イン・ピンクの感想の中でも書いたがこの言葉が誕生したのは、1985年6月10日号のNew York Magazine》の記事で、筆者はデヴィッド・ブラム(David Blum)というジャーナリスト。

ブラムは、映画『セント・エルモス・ファイアー』の撮影中に、 俳優エミリオ・エステベス、ロブ・ロウ、ジャド・ネルソンらとロサンゼルスで夜遊びを共にし、その体験を基に、彼らを「才能はあるが傲慢で、派手な夜遊びに興じる若者スターたち」と描写。

彼らを1950年代の「Rat Pack」になぞらえて「Brat(ガキ)」という侮蔑的な言葉でレッテルを貼った。「Rat Pack」はフランク・シナトラ、ディーン・マーティン、サミー・デイヴィス・Jr.らを中心としたお洒落でカリスマ的な男性芸能人グループで大人のスター集団を表していた一方で「Brat Pack」は「才能があるが傲慢で軽薄」「成功を鼻にかける若手俳優たち」というニュアンスだった。

このインパクトのある表現が話題を呼んで全米メディアがこぞって引用し、「Brat Pack」という呼称が一気に定着。当然、呼ばれた当人たちは反発して取材を避けるようになったらしいけど、一方でこのキーワードの爆誕もあって彼らが出演した作品が日本でも次々にヒットしたことを考えるといい面もあったと思う。

ダサさがたまらない!ビリー(ロブ・ロウ)

セント・エルモス・バーのステージでサックスを披露するビリーは、女を翻弄するモテ男役。上半身はコウモリ柄のタンクトップ!そんなファションに加えてちょっとほっぺたが赤くてヒゲが青々としているビリー(ロブ・ロウ)がなんかダサくてイイ!

危うい魅力ジュールス(デミ・ムーア)

この映画のデミ・ムーアが危うくて最高だった。銀行というお堅い職場に勤めながらながら給料を前借りしてクレジットカードを使いまくり、いい部屋に住みいい服を着てコカインをキメてパーティー三昧の奔放な日々を送っているジュールス。

しかしその役が当時のデミ・ムーアと完全に重なっていて、コカイン漬けだったデミは監督のジョエル・シュマッカーに最後通告を突き付けられ「この映画に残りたいなら、まず自分を救え!」と撮影直前に言われ、クスリを断ち切ることを決意。彼女は3週間リハビリ施設に入ってから撮影に望んだ、というエピソードがあるらしい。

のちに再びアルコール依存に陥ったこともあったが、その後は立ち直って最近では2024年のコラリー・ファルジャ監督の映画サブスタンスで全米映画俳優組合賞の主演女優賞を受賞!という快進撃を続けているから彼女の精神力はすごい。(サブスタンスには本作でデイル役を演じたアンディ・マグダウェルの娘マーガレット・クアリーも出ているから最高だ!親子ともども美しくて大好きです!ありがとう神様!)

旅立つビリーを見送るシーン

ビリー(ロブ・ロウ)がサックスプレーヤーとしての成功を夢見て地元ワシントンDCからニューヨークに旅立つこのラストシーン。自分にはこのシーンがとても印象的だった。

なぜならめちゃくちゃライトでさっぱりしている。長い付き合いなのにアメリカ人が旅立つ友人を見送るってのはこんなもんなのかと。それまでに色々あったけど最後に別れの涙の一粒くらいあるのかと思ったけど誰一人泣く者はいない。ちょっとした旅行に行くくらいの感じで見送る。

俺は自分が社会人3年目に東京から大阪に転勤することになったが、その時に地元の仲間が開いてくれた送別会で恥ずかしながら号泣してしまった。こんな俺だからよけいにこのシーンが「アメリカ人って、さっぱりしてんだなー!」と強く印象が残っているし なんかカッコよかった。

愛のテーマ by デヴィッド・フォスター

なんといってもこの映画はデヴィッド・フォスターの愛のテーマが素晴らしすぎる。流れた瞬間、一気に美しくそして情熱的な世界が広がり感動してしまうから、この曲を聴くためだけでも観る価値あり!

デヴィッド・フォスターって人は、他にも名だたる名曲を手掛けていて、アース・ウィンド・アンド・ファイアーの”After The Love Has Gone”、シカゴの”素直になれなくて”、ホイットニー・ヒューストンの”I Have Nothing”、チャカ・カーンの”Through the Fire”だって手がけている!どれもドラマティックな名曲ばかり。グラミー賞をなんと15回も受賞しているのも納得。

ちなみにジョン・パーが歌ったこの映画の主題歌”セント・エルモス・ファイアー(マン・イン・モーション)”も彼とジョン・パーの共作だ。この曲も当時大ヒットで街でよく流れていた。

Wikipediaを見ると私生活では2018年に34歳年下のアメリカンアイドル出身の歌手で女優キャサリン・マクフィーと5度目の結婚をし2021年には男の子を授かっている。1949年カナダ生まれの現在76歳。あっぱれ!

まとめ

こういう映画を「好きだ」というのはめちゃくちゃ恥ずかしいから誰にも言いたくないけど、自分の青春時代と重なる思い出の映画だし、実際好き過ぎてセリフを覚えるくらい何度も鑑賞している。だから今でも大好きな映画です(恥ずかしいー)。

以上です。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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