スェーデン出身の女性監督リサ・ラングセットの監督・脚本。オスカー女優アリシア・ヴィキャンデルの長編映画デビュー作。原題はTill det som är vackert(美しいものへ)。2009年スウェーデン製作。
あらすじ
舞台はスウェーデン。主人公のカタリナ(アリシア・ヴィキャンデル)は20歳。ギャンブル好きでアルコール依存症の母と貧しい生活を送っていた。アリシア自身もキレやすい性格のせいで仕事が続かず定職に就いておらず、過去には売春の経験もある彼女は早くこんな生活から抜け出したかった。
そんなときにYouTubeで聞いたモーツァルトの音楽に感動してすっかり魅了されてしまう。毎日モーツァルトを聴いて過ごしていたある日、街中で聞こえてきたクラシック音楽に吸い込まれるようにコンサートホール入っていったところ求人募集でやってきた人材と勘違いされ、奇跡的に受付係の仕事に就くことになる。
憧れの世界で働くことになり新たな生活への希望に胸を膨らませていたカタリナは、大人の魅力を持った指揮者アダム(サミュエル・フロラー)と出合い、惹かれていくが。。。
見どころ
この映画の見どころはなんといっても本作が長編映画デビュー作のアリシア・ヴィキャンデルの初々しくも堂々とした演技。アリシアの母国スウェーデン語の演技が光っている。
主人公カタリナがYouTubeでモーツァルトを聴いたことをきっかけにコンサートホールの仕事に就き貧しい生活を抜け出して新たな人生をスタートできるか、そして指揮者アダムとの関係は?ってところが見どころなんだけど、指揮者アダムと出会ってからの怒涛の展開がすごい。
初セックスシーン
コンサートホールの受付係として仕事が始まったカタリナ。彼女にとって指揮者のアダムは雲の上の存在。彼との会話について行くために必死に背伸びをするカタリナ。
そして二人が初めてコトを致すのはなんとコンサートホール入口広間で開催されたパーティーの真っ最中。少し離れた場所から指揮者のアダムを目で追うカタリナ。カタリナの視線に気づいたアダムは周りに気づかれないようホールの中に誘って二人はこっそりパーティーから抜け出す。アダムはカタリナの手を引いて足早に2階席まで上がっていく。
そこで興奮がピークに達している二人は声を殺してコトを始める。二人にとって職場であるコンサートホールでの禁断行為。そのシーンはたったの1分30秒ほどだがアリシア・ヴィキャンデルにノックアウトされてしまうこと間違いなし!表情だけでこれだけ濃厚なセックスを表現しているのをいままで観たことがない。ほんとうに演技なのだろうかと疑いたくなるほどの紅潮した表情!
女優ってすごい!
ご存知の通り彼女はのちに「リリーのすべて」(2016年公開)でオスカーを手にするが、この映画でその片鱗をうかがえる。
ちなみにオスカーを手にしたさらに2年後「チューリップ・フィーバー」でも極上の美しさを観ることができる。ストーリーは17世紀のオランダを舞台に修道院育ちの若い娘が裕福な年の離れた豪商の元に嫁いだが、夫婦の肖像画を描きに来た若い画家と禁断の恋をしてしまう話。こちらも抑えてきた気持ちに火が付いて燃え上がるというシーンだが圧倒された。
(念のため言っておくがセックスシーンだけを観ているわけではない)
指揮者アダム
指揮者アダムを演じたスウェーデンの俳優サミュエル・フロラー。大人の魅力に惹かれたカタリナだったがアダムは既婚者。その彼にカタリナは弄ばれてしまう。指揮棒だけではなく下の棒の扱いも巧みだった。このアダムを演じた俳優サミュエル・フロラーがなんともこの役にハマっている。
途中から彼がポコ⚫️ンにしか見えなくなるから不思議なものだ。
まとめ
アリシア・ヴィキャンデルの演技力が光る初長編作品。必見!
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