Netflixで配信が始まったのが嬉しすぎる!ハワード・ドゥイッチ監督、ジョン・ヒューズ製作・脚本の1986年の大ヒット青春映画。
あらすじ
シカゴ郊外の貧しい街で求職中の父と暮らす女子高校生のアンディ。幼なじみで親友のダッキーはアンディに心を寄せていたが気持ちを伝えられずにいた。
そんな中 アンディは優しくてイケメンでさらに裕福でスクールカースト1軍のブレーンからデートに誘われる。ブレーンのことが気になっていたアンディは恋に落ちる。しかし不釣り合いな格差カップルには周囲からの邪魔も多く、果たしてこの恋愛は続くのか???
スタッフ・キャスト
監督 | ハワード・ドゥイッチ |
脚本 | ジョン・ヒューズ |
制作 | ローレン・シュラー・ドナー |
製作総指揮 | ジョン・ヒューズ マイケル・チニック |
撮影 | タク・フジモト |
編集 | リチャード・マークス |
音楽 | マイケル・ゴア |
美術 | ジョン・W・コルソ |
衣装 | マリリン・ヴァンス |
役名 | キャスト | 役柄 |
---|---|---|
アンディ | モリー・リングウォルド | 主人公の女子高校生 |
ジャック | ハリー・ディーン・スタントン | アンディの父 |
ダッキー | ジョン・クライヤー | アンディの親友(アンディに心を寄せている) |
ブレーン | アンドリュー・マッカーシー | アンディをデートに誘う同級生(裕福) |
イオナ | アニー・ポッツ | アンディがバイトしているレコード店のオーナー |
ステッフ | ジェームズ・スペイダー | ブレーンの仲間(裕福) アンディにそっけない態度を取られ腹を立てている |
見どころと感想
モリー・リングウォルドの魅力って?
アメリカ青春スターNo.1という触れ込みで公開当時は日本のメディアでもかなり露出があった彼女。とはいえ当時は圧倒的な美貌と可愛さで絶大な人気を博していたブルック・シールズ、フィービー・ケイツ、ダイアン・レインと違い まぁまぁなルックス。
そんな彼女の魅力は青春スターという看板に流されない個性派ということ。あと見るからに賢そうだ。この映画の後 ジョン・ヒューズ監督・脚本作品出演のオファーがあったが彼女が脚本修正を依頼したが通らず、その結果映画がボツになってしまったというエピソードもあるので、そういう譲らない強さも当時の特に女性ファンに支持されていたんだと思う。
本作の役柄も貧しいけど成績優秀、無職の父が買ってくれた安いドレスとバイト先のレコード店オーナー女性が若い時に着たドレスを裁断して組み合わせてプロム用に自作。それをイイ感じにしてしまうという離れ業で乗り切っていくあたりもリンクしている。
1968年2月18日カリフォルニア州ローズビルで生まれた。 母は料理人のアデル・エディス(旧姓フレムブ)、父は盲目のジャズピアニスト、ロバート・スコット「ボブ」リングウォルド。幼少期から父のジャズバンドで歌っていたという経歴もあって、彼女自身も2013年にはアルバムもリリースしている。
ここでも登場!ハリー・ディーン・スタントン
名脇役のハリー・ディーン・スタントンが主人公アンディの父親役で登場する。嬉しすぎる!
役柄は妻が家を出てしまい求職中ながらもアンディと二人幸せに暮らす父親。妻に未練があっていまだに忘れられないでいる。普通に考えればまともに働きもしない父親と娘がこんなに良い関係を築けるはずないけどなぜかそれもアリかなと思えてくる。この設定は彼の人柄あってのことだと勝手に解釈している。
なにせ彼はクレジットなしで初めて出演をした1956年の「間違えた男」から亡くなった年の2017年「フランク&アヴァ」までの間で実に120本の映画に出演している。年2本ペースを60年以上続けるという偉業。こんなに多くの作品に出演できるということはスタッフや関係者に好かれているに違いない!
脇役だった彼が主演のヴィム・ヴェンダース監督のパリ・テキサス(1984年)の感想も是非↓
音楽→O.M.Dとサイケデリック・ファーズ
O.M.Dことオーケストラル・マヌーヴァーズ・イン・ザ・ダーク。本作サウンドトラックから「イフ・ユー・リーヴ」(If You Leave)がスマッシュヒット。1986年5月にビルボード・ホット100で4位を記録しバンドにとって最高位となった曲。懐かしすぎる!
当時この曲が聴きたくて近所のレンタルレード店を探したんだけど映画のサウンドトラックだったせいなのか入荷しておらず、今のようにストリーミングなどあるはずもなく聴けなかった曲。久しぶりにこの映画を見たことをきっかけに配信で聴きまくっている。思春期に80年代エレクトロニックサウンドにどっぷり浸かった世代からすれば、この時代の音楽がダサいと言われようが関係ないんだ。俺たちの青春ソングがこれなんだから!
サイケデリック・ファーズの主題歌「プリティ・イン・ピンク」もまた名曲。
おまけ
ハワード・ドゥイッチ監督
本作が映画監督デビューのハワード・ドゥイッチは1950年9月14日ニューヨーク生まれ。
本作の翌年1987年に監督をした「恋しくて」(原題:Some Kind of Wonderful)でリー・トンプソンと出会い結婚。リー・トンプソンといえばもちろん映画バック・トゥ・ザ・フューチャー(1985年)でマーティーのお母さん役を演じたことで有名な女優。彼女との間には二人の娘を授かりマデリーンとゾーイも女優だ。個人的には次女のゾーイ・ドゥイッチがお母さん似で好き!彼女が出演した映画「アウトフィット」(2022年)の演技もよかったなー。
ジョン・ヒューズ脚本
1950年2月18日ミシガン州ランシング生まれ。惜しくも2009年に心臓発作で亡くなってしまった(59歳)。彼が脚本を書いた作品のうち1984年から1987年までの青春映画が最高で本作を含めた珠玉の6本がこちら。大ヒット作のホーム・アローン(1990年)も面白いけど個人的には青春映画が最高なんだよなー。
# | タイトル | 原題 | 制作年 | 監督 | 脚本 |
---|---|---|---|---|---|
1 | すてきな片想い | Sixteen Candles | 1984年 | ⚪︎ | ⚪︎ |
2 | ブレックファスト・クラブ | The Breakfast Club | 1985年 | ⚪︎ | ⚪︎ |
3 | ときめきサイエンス | Weird Science | 1985年 | ⚪︎ | ⚪︎ |
4 | プリティ・イン・ピンク/恋人たちの街角 | Pretty in Pink | 1986年 | ⚪︎ | |
5 | フェリスはある朝突然に | Ferris Bueller’s Day Off | 1986年 | ⚪︎ | ⚪︎ |
6 | 恋しくて | Some Kind of Wonderful | 1987年 | ⚪︎ |
ちなみに本作は当初の脚本ではダッキーと結ばれるエンディングだったらしい。
幼馴染のウザいオトコ感が強すぎたのでもう少し彼を魅力的に描けていればそっちもアリかとも思ったが、やはりアンディを演じるモリー・リングウォルドの賢さがどうしても滲み出てしまうのでその選択は無い!(いやこの娘は彼を選ばんやろっ!となってしまう)
ブラット パックという言葉
もともとは1960年代のパーティ三昧で女性たちと楽しい時間を過ごす若手スターたちの集団を指す言葉ラット パック。これはフランク・シナトラ、ディーン・マーティン、ピーター・ローフォード、サミー・ デイビス Jr.たちのことだったが、それをもじったブラット パックはアンドリュー・マッカーシー、デミ・ムーア、エミリオ・エステベス、ロブ・ロウ、アリー・シーディ、モリー・リングウォルド、アンソニー・マイケル・ホール、ジャド・ネルソンら当時の若手スター俳優たちを指す言葉。
きっかけはニューヨーク・マガジン記者のデヴィット・ブラムによって1985年6月10日号に「ハリウッドのブラットパック」という記事によって生まれた。当時 映画「セント・エルモス・ファイア」の撮影で親しくなったエミリオ・エステベス、ロブ・ロウ、ジャド・ネルソンがロサンゼルスのハードロックカフェに集まり巨大なチーズバーガーをコロナビールで流し込みながらグイグイ飲み女性と楽しい時間を過ごす様子、つまり夜な夜な女性をお持ち帰りしている様子が記事にされていた。そしてそれが当時の「ブレックファスト・クラブ」などヒット作に出演する若手俳優全体を指すようになっていったのだけど、それが彼らはプロ意識が欠けていると批判的な見方がされ、俳優たちにとっては痛手となったようだ。
芸能人とメディアの対立って昔から途切れることが無いんだな。
そしてこの記事を読んで確信に変わったことがある。それはブラット パックの彼らが尊敬する俳優としてハリー・ディーン・スタントンを挙げているということが書かれていた!やはりそうだった。自分の目に狂いは無かったと確信した。やはり彼は関係者の評価が高かった!
記事はこちら↓(英文なので翻訳して参照してください)

まとめ
キャストを含めてこの時代のジョン・ヒューズ脚本の青春映画はど真ん中世代にはたまらない!「恋しくて」の配信来ないかなー。
以上です。最後までご覧いただきありがとうございました!
コメント